年に1、2度しか会わないけどご無沙汰感を感じさせない。
少し喋ればすぐアノ頃を回顧できる。
007やっててコントローラーが壊れててなんかくるくる永遠に逃げ回ったり、三国無双で全然話が入ってこないけどとりあえずぶった切りまくったり、ナルトの格ゲーで必死こいたり、なんかそういうのがぶわっと一瞬で思い出せる。昨日のことのように。さすがに昨日はないや。リアルにいうと半年前くらいの距離感。
でも確実に違うのはお互いアラサーになって彼はバツニーになった。アラサーのノリで言う。
僕はバツゼロなんですけど、バツを背負った人はみんな言う。結婚なんてするもんじゃないよ、と。
この経験者は語るやつ。そうね、わかってる。わかってるんだけど、違うでしょって。実際のところ。
バツゼロ(もしかしたら正式にはバツレイなのかもしれない。ゼロは英語だから!正確にはズィアロゥ)の僕からすると結婚には淡い期待がある。休日に二人でスーパー行って一緒にごはん作る。過度な期待とかしてなくて、ほんの少しの幸せと窮屈さがほしい。
それがなんだろう、目の前にそれを飛び越えた猛者がいる。2回も。
恐らく一度目の結婚からの離婚できっともう結婚なんてしたくないなって思ったんだと思う。
でも二度目の結婚はそのマイナス要素をすり抜ける何かがあったに違いない。『こういう相手は嫌だ』のふるいをすり抜けたのだ。
それでも唐突に終わりを迎える。
僕が考えるより結婚は難しいのだと思う。
友達の話から、結婚の話に、こう、つらつらといっちゃうところ、僕は婚活をしている男子みたいに見えるだろう。
実は全然そんなことなくて、あわよくば程度にしか思ってないのである。
そのあとお互いの趣味の話をコーヒーを飲みながらだらだら話した。
あのゲームが面白いとか、釣りにいきたいとか、3万円の草買ったとか、泡沫のように浮かんでは弾けた。
そんな他愛のない話を3時間もして、コーヒーを5杯飲み、またジャスミンティーに戻った。
バツニーの彼は新たな恋をしているようだが、バツレー(バツゼロ改め)の僕は踏み込めないでいる。
正確には踏み込むべき場所がない。射程圏内に独身女性がいないのだ。詳しくいうとアラフォーとアラフィフがたくさんいる。僕はバツレーのアラサー。足の踏み場がないのだ。
僕のことを若いだとか、どうにでもできる、みたいなことを言う。どうにでもできるは非常にいい言葉。悩んでる人に積極的に使おう。
でも僕は別に悩んでなくて、自分をそんなに若いとも思ってないのだ。
僕も幾度かの恋を経験し、『こういう相手は嫌だ』フィルターもどんどん分厚くなり、かなり目詰まりしている。こんな隙間をすり抜けてくるのは一時の風か塵みたいなもので、結局僕のお眼鏡にかなうようなものではなかったりする。
だから僕はフィルター交換をするわけなんですけど、前回のデータは脳内に蓄積されてて、でも複雑に層を織りなしてるからきれいに復元できなかった。
過去を振り返ってデフラグしたらちょっとはきれいにまとまったけど、不要だけど動かせないファイルが多すぎた。
笑顔だった。
いつか見た笑顔。
それが僕をここから離さないでいるし、離れないでいる。
悲しいけど撮りためた写真は消した。でもRAWファイルは胸の奥に溜まってて。
こうやって記憶は降り積もっていく。
こうやって……
途中から記憶を捻じ曲げてお送りしました。
僕の好きなタイプはよく笑ってアホっぽくて優しい子です。ご応募お待ちしております。
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