崩壊するエデン

たったそれだけで、楽園は崩れ去った―――。


日々慢性的にストレス過多になると、無性に辛い物が食べたくなる。
でもなんかタイミングが合わなかったりして後手後手に回ると、余計食べたくなる。
ああ、辛い物が食べたい。そんな気持ちが日に日に増大していく。

明日こそ食べよう…絶対食べよう…!!

そう決心して昨日眠りについた。
それどころじゃない、朝方まで眠れなかった。


そして今日野暮用を片付けて自分が知る中で一番辛いラーメンを食した。
空きっ腹に劇物摂取である。
腸内フローラ崩壊。
朗らかな風が吹く楽園に暗雲と熔岩流が流れ込む。
妖精もとい腸内の菌は藻掻き苦しみながら死す。


もっと早く、自分に正直になってピリ辛くらいのやつをこまめに摂取してれば……

激辛料理を食べるのってある種の自傷行為である。
猛烈に胃が痛い。下腹部も痛い。肛門までしっかり痛い。
でも後悔するってわかっていても食べる。スープを完飲しないと食べたうちにはいらない。すべて飲んでこそ自分を称賛することができる。エクスタシー。


だけど果たしてこれは幸せなんだろうか。
見ていたドラマも一番いいところでトイレに籠ってしまった。

だけど昔から云うでしょ。
「辛っていう字に一文字足して幸せ」

そういうわけだから僕は紙一重で幸せなのかもしれない。紙一重すぎて辛いだけだと思ってるだけで。
幸せの形は推し量れるものじゃない。いいぞ、なんかいいぞ。


それはそうと崩壊するエデンってなんだよ。
腸内フローラはいま葬列になってます。

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