ニート3日目。あまり実感が湧かない。
今日は思い切って買い物に行くことにした。
何を買うわけでもなくペットショップのアクア用品売場をうろつくのが楽しい。一種の病気である。
何の気なしに今日はADAのグッズをちょっと買い漁った。
60cm水槽用に水温計。
ADAのアイテムはすごく機能美なところがある。
水景をきれいにすればするほど配管や周辺機器の鬱陶しさが目につく。
ADAの水温計にはキスゴムがなく、ガラス管がJの字に湾曲していて、それをぶら下げる形になる。非常に美しい。
とはいえ100円200円で買えるものを800円にするのである。ちょっと冒険。
ADAというブランドはなんというか、ギターでいうギブソンといったところだろうか。
初心者でも知っていて、誰しもが憧れるような、そんなブランドである。
そんな僕は勢いで配管やホースを掃除する道具もADAのものを買おうとした。1000円を超える。しかも3種類ある。3つ買えば3000円を超えるのだ。
…僕はニートなんだ。固唾を呑んだ。宝の地図を持って海に出て、お目当ての島は見つかったが船は挫傷してどう帰るかわからない。そんな状況で宝探しをしている海賊のような気分だ。
僕は迷わず398円の安い道具を買うことにした。ニートは人生に迷っているが買い物には迷わない。
そして帰宅し、車庫にバックして車を入れたいたその時、ある異変に気付いた。
ここは住宅街。湿気の多いただの住宅街である。
僕はピンと来た。サワガニだ。
先月まで飼っていたからわかる。しかし、彼奴らは20kmほど遠くの川に返しに行ったのだ。
どういう経緯でうちの駐車場で大往生していたのか、いまいちピンと来なかった。
他にもADAのアイテムを購入した。
ロングタイプのピンセットを新調した。
先が細く、噛み合わせもいい。1500円ほど。通常のアイテムなら半額程度で購入できる。
Do!aquaのbe-clear。リン酸除去剤。
60cm水槽を掃除したら入れてみようと思って購入した。500円程度。
このDo!aquaというのはADAのビギナー向けのラインである。
先に紹介したピンセットもDo!aquaのものである。
このDo!aquaをギターで例えるとするなら、フェンダーUSAとフェンダージャパンのような位置関係にあるかもしれない。
しかし、日本人向けに造られたメイドインジャパンのギターは弾きやすい。そういうことだと思う。
そんなピンセットの出番がきた。水草の植栽だろうか。はたまたエサやりだろうか。
この流れからして、期待を裏切る。
水草でもエサでもないしょうもないことに使うに決まっている。
これだ。
小さいタッパーに切れ目を入れてキッチンペーパーを切ったものを差し込む。
この時に非常に役に立つ。細く尖っていながらもつまめる形状。恐れいった。
そして本日購入した生体。
ヨーロッパハウスクリケットである。
ヨーロッパイエコオロギ。通称イエコと呼ばれているが、僕はヨーロッパハウスクリケットと呼ぶ。クリケと呼ぶ。
そんなイエコの給水場を作ったのだ。
湿度を嫌いつつも水がないと生きていけない。なんだかシンパシーを感じるよ。
今日はDIY日和だ。
なんか雨が降っているが、気分は晴れやかだった。水玉がおどっているようだった。
DIYというのは僕にとって、非常に不安定なものである。
完成図がないものを作るというのは不安が伴う。
料理も完成したものの味を知らないと終わりが見えなくて不安になる。ましてやそれをお客さんが口にするのだ。
そんなシドロモドロなまま作ったものがこれである。
実はカエルのケージの水場はこんなにも適当だったのだ。
百均のケースを切断してはめ込んだだけ。
しかも小さいカエルが溺れるのでなんとなく石を入れて足場を作っただけ。
今回はここをリフォームしていく。
なんかいいものはないかと鉢を見たりしていたがこれといってなかった。
ようやく巡りあったのがこれである。
渋い湯呑み。この湯呑みにカエルが浸っているところを想像するだけでニヤニヤする。
湯呑みを手にとってニヤニヤする男。かなりイッている。
そしてこれ。
Do!aquaのピンセット。こんなとこにロゴが入ってる。秀逸である。
特に使わないが見せびらかしてみた。
湯呑みをセットして、なんとかホースの水を湯呑みに落とすようにする。
非常にダサい。湯呑みはまるで清正井の如く清廉さを出しているが、それを加味してもダサい。
飛沫は前面のガラスにビシャビシャとかかって鑑賞どころじゃない。
何かないかと色々探ってみた。
色々不安は募るが思いついたら実行するのみ。
ダサい。百歩譲ってもダサい。プランターの受け皿は戻ってこない。
切って、断面を削って、さらにライターで炙って滑らかにしたところで。
百歩譲ってダサいけど、100kmくらい譲ってアリかなあ。
イエコ…あ。クリケは水飲んでいる。DIYは成功である。
妥協を許し、呆然としているときにそれは降ってきた。
革新的なデザイン、まさしくそれはADAのアレに匹敵する。
よくよく考えたら、コルクの前にシェルター置いたらコルク見えなくなるからしなかったんだけど、その時の僕は大発明みたいなドヤ顔をしていた。
ヒキガエルは比較的乾いたところが落ち着くので水が滴るシェルターには入ってくれないのである。
大きなシダがコルクの前を覆っていたのも解消されたし、なんかホースが緑に紛れてる感も否めない。
水は湯呑みに落ちて、溢れて軽石の層に流れる。
けっこう水に浸かってフンをしてくれるので、つまるところこの湯呑みはトイレなのだ。水洗トイレだ。
湯呑みの中には砂利と、なんとなく庭に落ちていたので木炭を入れてある。抗菌効果をちょっと狙った。
ホトケはシェルターに落ち着いてくれた。しかし実は何気に縄張り意識が強くてあまり一緒に居ない。
チビは気にせず頭の上に乗ったりするのだが。
それでもなんとかやっていけそうなケージになってくれたと思う。
ぴょこっ。
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